マネキン製作Ⅱ

さて、前回の続きです。

データをプリンター用OHPフィルムに出力します。
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ここで、昔懐かしいOHPの登場です。おそらく今時の子供達は知らないんじゃないかと思われますが、踏鞴房では現役で活躍してくれてます。
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型紙を作る為の実物大トレス作業です。
データはデジタルなのに、投影機材はOHP! なんというアナログな作業でしょうか。
多少の歪みを気にしつつもスチレンボードに粛々とトレスしていきます。
せめてDLPプロジェクターが欲しいところですが、OHPが現役である以上買い換えるわけにはいきません。
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トレス作業が終ったら、正面と側面の位置合わせの為の基準線を設定します。
型紙は最終的に切り離すわけですが、対象となるEPS(発泡スチロール)ブロックに転写する際の前横の位置合わせに必要なラインです。
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型紙が完成したら切り離して、各々のパーツを切り出すブロックに転写します。
削り出して形を作っていく作業では昔から行われている工程で、ヨーロッパの石像や日本の仏像なども同様に前後左右の型紙を作成してから彫刻作業に入ったようです。
(写真はボディーが既に切り出されています。)
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EPSブロックのカットアウトにはニクロム線を上下に張った専用テーブルを使用します。
EPSの硬度や厚みに合わせて、使用するニクロム線の太さや温度を変更します。
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ボリュームを落とし過ぎない事と熱による溶けシロを考慮して、罫書線のやや外側を切っていきます。
踏鞴房のカットテーブルは、最大1200mmの厚みに対応しているので、かなりの大きさのブロックのカット作業が一人で行えます。
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カットテーブルは特注品です。
製作したのは当時入間に工房を構えていた金属加工専門の「佐藤製作所」さん。製作所といっても踏鞴房と同じく一人だけの工房。
金属加工全般を神業のごとき職人技でこなす青年でしたが、生活するに必要な最低限の収入以上の仕事はしない人で、一部では創作業界のスナフキンとも呼ばれていました。かなり精度の高い仕事をする人で、極偶に製作されるフルハンドメイドのオリジナルギターも非常に完成度の高い逸品です。


その佐藤製作所さんの技術がこの部分にも表れています。
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ワンオフの削り出しパーツに、納品されてから10年以上を経た今でも惚れ惚れしてしまいます。
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佐藤製作所さんは今年に入って群馬の人気のない山奥に移り住んだと伝え聞きました。
もはやスナフキンではなく仙人の域なのかもしれません。


写真の枚数制限を超えた様なのでこの続きはまた次回。

by zl900eliminator | 2013-03-28 14:32 | 造形